shineriポケット

やりたいことが多すぎる。

フィリピンの怪談&トークイベント「八戸のゴースト/GHOST IN THE SEASHELL」

こんにちは、shineriです。今日は大晦日ですが、フィリピンの幽霊話をします。2019年9月20日(金)に、AIR-Hのプロジェクトである「八戸のゴースト/GHOST IN THE SEASHELL」トークイベントに登壇しました。今回はそのゆる〜いレポートと、フィリピンのghost storyをおおくりします。

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AIR-H

AIR-H(Artist in Residence Hachinohe)は、八戸工業大学感性デザイン学部の東方悠平さんが率いるプロジェクトです。2017年から青森県八戸市をベースに、アーティストインレジデンスなどを行っています。これまでにも、フィリピンから八戸にやってきたアーティストたちが、作品を制作し、トークイベントを開催してきました。2019年の来八アーティストは、ghost storyを集めるNeo Maestro(ネオ・マエストロ)でした。

www.air-h.info

 

◯Neo Maestro(ネオ・マエストロ)

1991年フィリピン出身、カラヤアン大学にて絵画を学ぶ。ペインティング、インスタレーション、映像等を用いて、作品を制作している。近年は特に都市マニラに住むことを通じて個人的な視点や歴史的な視点が絡まり合って生じる、不安や強迫観念の経験をモチーフにしている。また最近は、アーティスト・コレクティヴであるWalang Kikiloのメンバーとしてマニラの都市空間と向き合っている。アーティストとしての活動の他に障がいを持った子供たちへの美術教育や、他のアーティストのアシスタント、キュレーターやリサーチャーのためのガイド等アートの周辺領域での活動も多い。

上記が今回のプロジェクトで公表されていたNeoのプロフィールです。しかし、私が得た彼の印象といえば、「オバケが好きな人」でした。私が日本のオバケの名前を話すたびに、熱心にそれはどういう存在なのかと説明を求められるので、私はたどたどしい英語で説明することになりました。また、Neoは滞在中、お店や大学で会った人たちにghost storyを知らないかと呼びかけて、話を集めていました。誰かがghost storyを話し始めると、Neoはいつもどこからか小さなメモ帳をサッと取り出して丁寧に話を書き留めました。そういうときに彼はいつも満面の笑みを浮かべていました……。

 

トークイベント「八戸のゴースト/GHOST IN THE SEASHELL」

八戸市内でアートと妖怪の両方を話せる人、ということでトークイベントに声をかけてもらいました。トークイベントは3部構成で、私は半ばにお話をしました。

  1. アーティスト活動、フィリピンのghost storyの紹介
    Neo Maestro
  2. 日本の妖怪と幽霊(フィリピンとの類似例)
    篠原英里
  3. 八戸でのフィールドワークと作品制作
    Neo Maestro

 

第1部では、Neoが自身の活動と、フィリピンのghost storyを紹介しました。蝋で固めたあやしげな赤い絵画作品のほか、特に印象的だったのは、フィリピンのとある家で展示された作品です。聞き集めたghost storyのレポートをリビングルームに設置し、来場者はそれを読み、ときには新しいghost storyを追加するという作品。ghostの話をしているとghostが寄ってくる、と考えられていることをふまえた作品だそう。これ、日本と同じですね!

Neoとオバケの話をしていると、「あ、そういうのこっちにもいるわ」という話題でよく盛り上がりました。第2部では私がそういう話をしました。Neoがまとめたマニラのghost storyをもとに、類似する日本の例を紹介したのです。また、冒頭には、私が幽霊・妖怪の造形を研究する上で重要だと考えているイマジネーションと伝播について、また、Neoが集めているようなstoryは、地域の文化や心理などを伝えてくれることについて、お話ししました。

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トークイベントの様子

最後に第3部では、Neoが八戸でおこなったフィールドワークと作品制作について紹介。来八してすぐは、異国の地で寂しくひたすら街を徘徊し、なかなか八戸人と交流できなかったそうです。それでも、住宅街の小窓越しに感じる気配にインスピレーションを得て写真作品を制作し、八戸学院大学内にあるH∞L Galleryで個展「Not Seeing the See」(2019/9/12-10/11)を開催。その後、怖い話を創作するワークショップを開催したり、大学生の案内で心霊スポットをめぐったり、座敷童がいる二戸市の緑風荘へ行ったりしていろいろと活動しつつ、ghost storyを聞き集めながら仲間を増やしていったようです。八戸で集められたstoryは、八甲田の幽霊やカローラ山荘などの広く知られたものから、個人的な体験談まで様々でした。それもいつかシェアしたいですね。

 

◯マニラのghost story

トークイベントでは、Neoがマニラで集めた4つのghost storyを教えてくれました。Neoの許可を得られたので、一部の個人名を伏せてここでも紹介します。なんとなく日本語に訳してみました。

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「マニラにおける美術に関連した心霊現象の事例」 

 私はマニラで、超自然現象との出会いに関連した出来事を追っています。これから紹介する話は、私が集めた話の内、さまざまな超自然的出来事に関するものであり、また美術の分野にも関連するものです。

 

 まずお話しするのは、マニラ在住のフィリピン人アーティストであるZ氏の作品に纏わるものです。 

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God Created The Devil and the Devil Created The Most Beautiful Disaster Piece Ever Made (2008) (diptych) 60 x 48 inches, oil on canvas


 上の二連画のタイトルは《神は悪魔を創造し、悪魔は最高に美しい災厄の断片を生み出した》(2008年)です。彼は2008年にマニラのHギャラリーでこの絵を展示しました。Z氏の個展オープニングで公開された作品です。このオープニング出席者の中に幽霊や精霊を見ることができる霊能者がいました。オープニング行事が行われているとき、霊能者はこの絵から人の形をした影が抜け出して、群衆の中に紛れるのを目にしました。この影は、オープニングに出席したアーティストの、ケソン市にある自宅までついて行ったと言われています。オープニングの後、絵はコレクターが購入しました。しかし聞くところによれば、この絵を買ってすぐ後に、そのコレクターは作者のZ氏に何の説明もなく絵を燃やしたということです。

 2018年のある日、私はこの絵についてZ氏と話しました。私は、なぜこの特定の絵が幽霊となり、その後燃やされたのかと聞きました。すると彼は狼狽しつつも私を見て、こう言いました−−「普通の絵ですよ」と。くわえて彼は、この作品が何故これほどまでに多くの悪評にまみれているのか、その原因に手がかりはない、とも言いました。私は彼に、その絵を描いている間どのように感じていたのかと訊ねました。描いているときに否定的な感情を持っていたのではないか、と私は考えたのです。ところが彼の答えは、描いている間とても気分が良かった、というものでした。

 

 美術に関連する2番目のゴースト出没例は、マカティ市のFというギャラリーで起きたものです。このギャラリーは、マニラの商業ギャラリーの中では人気があり、アーティスト、キュレーター、愛好家はもちろん、一般の人々も頻繁に訪れます。ここで、心霊現象と思われる絵画展が開催されたのです。その展示では、絵画が勝手に落下することが続きました。適切かつ安全に展示されていたにも関わらず、です。また、会場ではこんなこともありました。女性が自分の左側に絵を入れて自撮りをしました。その写真には、彼女の右側に、2階のバルコニーごしに浮かぶ3人の白人風の女性の姿が写っていました。

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A zoomed-in photo of a selfie taken inside the F gallery.

 私がこの写真を、以前このギャラリーで作品を展示したことのあるアーティストに見せたところ、彼も展示作業をしている間、1人きりにも関わらず誰かの気配を感じたということを話してくれました。また、Fギャラリーの左隣にある別のギャラリーの従業員は、一人でいるときに何者かに顔をひっぱたかれたと証言しています。Fギャラリーの右隣にあるレストランは、ある休日、ギャラリーに文句を言いました。なぜなら、設営作業の音がうるさく、従業員が階段を昇り降りして重い荷物を運んでいて、レストランの雰囲気を悪くしていたからです。しかし、Fギャラリーの従業員からは、その日は休日で、スタッフ全員が休暇中であり、ギャラリーはきちんと施錠されているはずだ、と言われたそうです。

 

 マニラの古い住宅街にあるアートスペースWは、約2年間しか開かれていませんでしたが、ゴーストとスピリットが引き起こす現象で知られています。

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first floor in the art space F

 Wでは、「ドゥエンデ(dwende)」と呼ばれる小さな妖怪のような存在に、つやつやしたコインとキャンディをよくお供えします。ドゥエンデはカラフルな服を着た小さな存在です。彼らは、優しく親切に接すると幸運をもたらし、反対に軽んじた場合は不運をもたらします。供えられたキャンディは、未開封のまま空になっていることがあります。私自身、Wでの展示準備で叔母を手伝っていたときに不思議な体験をしました。
 叔母は、Wのキュレーターとのミーティングを終えてすぐに、アパートで私と展示の詳細について話し合いました。その後、私は昼食をとるために1時間ほど出かけました。展示計画について話し合ったとき、彼女はWに住むゴーストと「作品をつくる」計画をしていると言っていました。アパートに戻ると、私は叔母から「血が出てるの?」と言われました。私は意味が分からず、彼女に聞き返し、今度ははっきりと聞き取りました−−叔母は、私に血を流したのかどうかと訊ねていたのです。叔母の話によれば、突然浴室の電気が消え、壁の中央に2本指ほどの血が染み込んでいるのを見つけたため、このような質問をしたとのことでした。二人とも身体を調べましたが、傷はなく、壁に血がどのように付いたのか説明がつきませんでした。
 叔母は怖がっていました。私は彼女に落ち着くように言って、血の付いた壁を拭きました。このような奇妙な出来事が起きた状況で、いつもの私であれば、血痕の写真を撮っていたでしょう。しかし、私の直感は写真を撮ってはならないと強く告げていました。湿らせたティッシュで壁の血を拭いている間、私はそれが本当に血なのか確認しようと臭いをかぎましたが、赤い染みからは強い鉄の匂いがしました。また、汚れをきれいにした後、赤く染まったティッシュがゆっくりと土気色に変わっていくのを見ました。本当に血だったのです。まだ不安を感じていた叔母は、私にアパートに泊まって欲しいと頼んできました。そして、それから数日後に彼女は病気になってしまいました。Wのゴーストが血を残して自分を病気にしたのかもしれないと思い、最終的に彼女はゴーストを作品に巻き込まないことに決めました。

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Exhibition view of Neo's aunt’s school of love (2018)

 展示の設置中に、私たちはニンニクと生姜でゴーストやスピリットから身を守り、家の隅にそれぞれ塩を置き、白い蝋燭を灯しながら祈りを捧げました。展示が終わるまで、超自然的な出来事が起こることはもうありませんでした。

 

 4年前から、私は赤い蝋の連作を制作しています。このシリーズのタイトルは《喉の絵》。自分が肝心なテーマについて話せず、物語が喉に詰まっているように感じていることから、そう名付けました。このシリーズの1点が、マニラのMギャラリーで展示されました。

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Throat Painting #5 (2017) 4x5 feet Wax, garbage bags, and plastic varnish

 ギャラリーのオーナーによれば、この絵が2回、別々のコレクターに売れそうになったとのことです。その内1人のコレクターは、風水の専門家から「ネガティブな」感情を理由に絵を買わないようにと言われて、絵を買うのをキャンセルしなければならないと話していたといいます。もう1人のコレクターは絵を購入して保管したいと望んでいましたが、絵が再びネガティブな感情を引き起こしたのか、自宅に保管すると家が焼け落ちるのではないかと感じたそうです。私の絵に纏わるこれらの物語を、私自身、とても興味深いと思っています。 

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以上がマニラのghost storyです。Fギャラリーで起きたような、ガタガタ物音を立てるというのは、オバケの定番です。ポルターガイストや鳴屋(家鳴)みたいなものでしょう。しかし展示してある絵を落とすとは、絶対に美術館ではやめていただきたい行為ですね。また、アートスペースWにいる幸・不幸を左右する「ドゥエンデ」は、座敷童子に通ずるものがあり興味深い存在ですし、魔除けとしてニンニク・生姜・塩を使うという話も親近感がわきます。いわくつきの絵とかも世界共通なんですねえ。下に原文も付けましたので英語が得意な方はこちらをお読みください。

 

Instances of Hauntings Related to The Visual Arts in Manila

In Manila, I’ve been tracking down instances in which there are encounters large or small in regard to the supernatural. Below are stories I’ve gathered that not only have to do with large or small supernatural occurrences, but are also related to the field of visual arts.

The first of these stories stems from the work of Z, a Filipino artist living and working in Manila.
The diptych on the left, titled God Created The Devil and the Devil Created The Most Beautiful Disaster Piece Ever Made (2008). He showed this painting in HGallery in Manila in 2008. I was told that as this painting was shown on Z’s exhibition opening, one of the exhibit attendees was a psychic who could see ghosts and spirits. While the opening activities were occurring, the said psychic attendee saw a shadow in the shape of a human figure step-out of this painting and into the crowd. One of the artists attending this opening was said to have been followed by this shadow to his residence in Quezon City. Sometime after the exhibition opening, the painting was bought by a collector. But after a short period of owning this painting, the collector reportedly burned this painting without any explanation to Z.
Some time in 2018, I talked to Z about his painting — I asked why this particular painting of his was haunted and was subsequently burned. He looks at me, confused, and says it’s just an ordinary painting. He adds that he does not have a clue to why this work of his has been surrounded by so much infamy. I asked him how he felt while painting it — if he had been experiencing any negative feelings while painting it, but he says he was quite fine when he was painting it.

The second instance of a haunting in relation to the visual arts happens in a gallery named Fin Makati City. This gallery is popular among the commercial galleries in Manila and is frequented by artists, curators, art enthusiasts and the general public. There was an painting exhibition that was held here that was regarded to be haunted. Paintings kept falling down by themselves even though they were properly and securely installed. There was also an instance in which a woman took a selfie with a painting to her left. But to her right, 3 figures of caucasian-looking women can be seen floating from the 2nd floor balcony. I showed this photo to an artist who had installed his work in this gallery before, and shared that he felt like there were other people were there with him while installing his work even though he was alone. A worker from a neighbouring gallery on the left side of F was reported to have been slapped full-on on the face while being alone. The restaurant one the right side of F made a complaint against the gallery one holiday for being too noisy with construction work and for their workers carrying heavy loads up and down their stairs, causing the restaurant’s ambience to be disturbed. I asked a gallery employee about this and they say that day being a holiday, their entire staff of the gallery was on leave, and the entire gallery was said to have been securely locked.

W, an art space found in the old residential area of Manila has had it’s share of ghost and spirit phenomena despite only being open to the public for around 2 years. In the space, they often offer shiny coins and candy to small, yokai-like beings called “dwende”. They are small beings who wear colorful clothes. They can bring good luck if you are kind to them or bad luck if you disrespect them. Often, the candies offered them become empty without the wrapper being opened. A personal experience of mine happened while I was assisting my aunt in preparing for exhibition in W.
Having just finished a meeting with W’s curator, my aunt met up with me to discuss the exhibition details. We met in her apartment, and left for an hour to have lunch. When she discussed her exhibition plans with me, she said she was planning to “work” with the ghosts residing in W. Upon coming back to the apartment, my aunt asked me “If I had any blood on me.” Feeling confused, I asked her to repeat her question. I had heard correctly — she had asked if I had any blood on my person. She asked this because the bathroom light had suddenly gone out and there was around two-fingers worth of blood smudged in the middle of the bathroom wall. Both of us checked our bodies and found that we had no wounds. We could not explain how there could have been blood on the wall. My aunt felt afraid. I told her to calm down and I would clean the wall of the blood stain. Normally in these circumstances relating to strange occurrences, I would have taken the photo of the blood stain. But my gut-feeling strongly told me not to take a photo. While cleaning the blood off the wall with a wet tissue, I smelled it to confirm if it had really been blood. The red stain had smelled strongly of iron. After cleaning the stain, I watched the wet tissues stained with red slowly turn an earthy brown. It really had been blood. Still feeling afraid, my aunt had asked my to spend the night in the apartment. My aunt grew sick after a few days of finding the blood. Eventually, she decided not to include the ghosts in W in her artwork, feeling that they might have been the ones who left the blood and made her sick.
During the beginning of the actual exhibition being installed, we had used garlic and ginger to protect us from the ghosts/spirits, put salt in each corner of the house, and offered prayers while lighting white candles. There were no more supernatural experiences that occurred throughout the exhibition period. 

For 4 years now, I’ve been making a series of red wax paintings. The series is titled “Throat Paintings” because I am not able to talk about their actual subject matter, and the story is stuck in my throat. One of these paintings was exhibited in a gallery Min Manila. The gallery owner told me that the painting was almost sold 2 times to different collectors. He told me that one said that he had to cancel buying the painting because a feng shui expert had told him not to buy the painting because of its “negative” feeling. The other collector said that he had wanted to buy and keep the painting, but it had a (again) negative feeling to it and he feels that it will burn down his house if he keeps it there. I find these stories about my painting very intriguing. 

 

◯後日談

Neoが八戸に滞在していた期間は短いものでしたが、その後もghost storyについてのやり取りは続いています。先日Neoから送られてきたベトナムのghost story一覧には、ランタンを長い舌で舐めるやつとか、「死者の市場」とか、死者を操る猫とか、興味深いことがたくさん書かれていました。今日も大晦日だというのにフィリピンで聞いた新しい話をまた送ると連絡してくれました。それらもいつか紹介したいですね〜。

ちなみにプロジェクトタイトルの”GHOST IN THE SEASHELL”は港町八戸と攻殻ナンチャラにちなんだ駄洒落で深い意味はないそうです(東方悠平氏談)。

ということで、今回はフィリピンのghost storyについてでした。2020年もよろしくお願いします!

 

shineriプロフィール

学芸員(美術)のお仕事をしています。それ以外にも個人研究や趣味を色々やっております。八戸学芸員倶楽部のオバケ妖怪担当。※注:当ブログでの発言はすべて個人的なものです。

海辺で初ソロキャン〜準備から反省まで〜

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こんにちは、shineri(シネリ)です。

先日、初めて1人でキャンプをしました。いわゆるソロキャン。今回はその様子をおおくりします。

きっかけは、友人にコテージキャンプに誘われたこと。その時は8人でワイワイ楽しくバーベキューをしたのですが、そのとき私はこう思ったのです。


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それから色々と調べて徐々にキャンプギアを買いそろえ、今回のソロキャンを決行しました。

小学生の頃はYMCAに所属しており、月に1回は登山や飯盒炊飯、キャンプ的なものをしていたのですが、中学生以降キャンプとは疎遠でした。そのため、いちから準備しなきゃいけませんでした。

でも、新しいことを始めるって、楽しいですよね。

 

■参考にしたもの

準備するにあたり、こちらを参考にしました↓

モリノネチャンネル - YouTube

TVアニメ「ゆるキャン△」公式サイト

Popeye No. 869 試し読みと目次 | POPEYE | マガジンワールド

 

アニメ「ゆるキャン△」いいですね。私は素朴で落ち着いたキャンプがしたかったので参考になりましたし、モチベーションもアップしました。外遊び系の雑誌はオラオラ感が強くて私にはあまりピンときませんでした。

 

■準備(道具とパッキング)

ということで、ソロキャン準備!

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↑こちらが主なソロキャンギアです。

上段左から、

・電池式LEDランプ(見た目重視)

・snow peak テーブルオゼンライト

琺瑯マグ(中にティーバッグ、即席麺、ライター)

・snow peak ステンレスケトル(中にギガパワーストーブ"地"、ガス250g、無印良品布巾、キッチンペーパー)+風呂敷

下段左から、

・ペグハンマー

・Naturehike 1人用テント

・エアーマット(枕付き)

・折りたたみ椅子

・寝袋

 

私は自家用車を持っていないので、徒歩と公共交通機関で移動できるようにパッキングします。

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愛用の小型キャリーバッグ(使用歴11年目)に上記道具が全て入りました。

続いてリュックサックに入れる小物類などを準備。

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リュックの荷物はこんな感じ。

・蚊取線香とマッチ

・財布

WALKMANBluetoothイヤホン

iPadAmazonプライムでドラマ「ケイゾク」(1999年)をDL済。

・読みかけの五来重『日本人の地獄と極楽』(吉川弘文館、2013年)

・ゴミ袋、ウェットテッシュ、テッシュ

・ポーチの中に日焼け止め、虫除けスプレー、汗拭きシート、メガネ、薬類

・手拭い

・三戸の林檎、ホットヌードル(坦々麺)、遠野焙煎のドリップパックコーヒー、食べかけのプッカ

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これにてパッキング完了!

キャリーバッグには仮面ライダーWのピンバッヂがついています。暑いので帽子を忘れずに。

 

■決行

15時頃、JR八戸線に乗って種差海岸駅へ。

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種差海岸駅に到着しました。無人です。

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駅から海に向かって歩いていくと……

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種差海岸の天然芝生!

海のすぐそばまで芝生が生えています。海抜ほぼ0mなのに高山植物が生息しているのですよ。東山魁夷《道》のモデルになった場所も近くにあります。

到着後お腹が空いたので、種差インフォメーションセンターのカフェでハンバーガーを食べました。

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種差海岸インフォメーションセンター

センターではバーベキューコンロなどを貸し出していました。

さて、駅からインフォメーションセンターを通り過ぎて道沿いに歩くと、踏切の手前にキャンプ場入口が見えてきます。

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受付で名前を書いて、利用料500円を支払いました。

海に向かって右側からキャンプサイトへ。けっこう利用者がいました。7〜8月はもっと多そうですね。

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説明書通りにやるのは得意なので、ぶっつけ本番でテントを組み立てましたが、海外製の説明書が思ったより難解で、四苦八苦しているうちに夕方に。

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↑なんとか設置したテント。

傾斜のある地面が多いので、平らな場所を探す必要があります。海風が強いため、風向きも配慮。

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すぐそこは海。波音がザバーン、ザバーン、と響く。

このあたりで私はお箸を忘れたことに気付きました。ホットヌードルを食べられない。仕方無くプッカを食べる。カフェでハンバーガーを食べておいてよかったです。

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椅子に座ってiPadで「ケイゾク」を試聴。

そのうち、霧が出てきたのでテント内へ。

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テントで寝ていると、大きな波音、それに時々ウミネコの鳴声が聞こえてきます。

そしてもっと近い所から別の声が聞こえてきました。

「キューキュー」

微かなその声は、下……地面の下から聞こえました。

あぁ、モグラが鳴いているよ……と感慨に浸りながら眠りました。

 

翌朝、なんだか顔が“しっとり”しているなぁと思いながら目覚めました。

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起きたらテントにびっしりと水滴が付いていたので、雨が降ったのかと思いましたが、違いました。

昨晩から続く霧のせいです。

辺りは真っ白で、海も見えない。

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ぼや〜とした風景。

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霧の中を散歩しながら林檎をもしゃもしゃと食べ、しばらく本を読みつつ、海の向こうの異界について考えていると、あっという間に晴れて日射しが強くなってきました。

おかげでテントが自然に乾いてくれてラッキー。

バーナーでお湯を沸かしてコーヒーを飲みましたよ。キャンプっぽい!

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コーヒーを飲んだ後、昼前には撤収して帰りました。

帰宅後ホットヌードルを食べました。

 

■反省

今回の反省点はずばり次の3つ。

・もっとコンパクトな寝袋が欲しい(ただしお高い)

・種差海岸は地面が柔らかいのでハンマー無くてもいける

・お箸を忘れたらダメ

とりあえず次回はお箸を忘れないことを目標にします!

ではでは、shineriでした。

 

 

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学芸員(美術)のお仕事をしています。それ以外にも個人研究や趣味を色々やっております。八戸学芸員倶楽部のオバケ妖怪担当。※注:当ブログでの発言はすべて個人的なものです。

素敵な遠野写真が撮れました!

どうも、ここ数年レンズ付フィルムカメラを楽しんでいるshineriです。

最近現像した写真がとても素敵だったので自慢させてください。

↓それがこちら↓

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とても素敵……。

はじめてこの写真を見たとき、(こんな郷愁あふれるあの世みたいな写真を、私はどこで撮ったのかな?)と思いました。そして、(あっ遠野じゃん!)と気付きました。撮ったのは2018年の9月。いまから9か月前のことですっかり忘れていたのです。

幻想的な色合いが特徴的なこの写真は、lomography(ロモグラフィー)のレンズ付フィルムカメラSimple Use Film Camera LomoChrome Purple ISO 400で撮ったもの。これがそのカメラです。

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Simple Use Film Camera

隣にいるのは文豪ストレイドッグス江戸川乱歩。それはさておき、写ルンですに似ています。写ルンですと並べるとこんな感じ。

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ひとまわり大きいくらいですね。そしてSimple Useにはフラッシュ部分にカラーフィルムが付いています。

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このフィルムでフラッシュの色を変えて、変わった効果を演出することもできます。

また、ロモグラフィーはいろんなフィルムを販売しているのですが、このカメラにはLomoChrome purple Filmという少し変わった色になるフィルムが入っています。

たとえばこれは八戸市庁展望台からiPadで撮影した景色。

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ほぼ同じ時間に同じ場所で撮ったLomoChrome purple Filmの写真がこちら↓

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レトロ!いい感じです。
今回は1年半かけて36枚撮り終わり、職場近くの写真屋さんで現像してもらいました。

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どんな風に写っているのか分からないので、現像されてきた写真を見るのはとても楽しみですよね!

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ぱかっ

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プリントされた写真を何枚かお見せします♪

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最後のオーブまみれのような写真は、猛吹雪だった八戸えんぶりでフラッシュたいて撮ったやつです。何が写っているのかは全くわかりませんが、雰囲気があっていいでしょう。高精細・高性能なカメラとはまた違う楽しさですよね。

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レンズ付フィルムカメラはとても軽いので携帯が楽ちん。ポケットにカメラを忍ばせて、あてもなく散歩したいな。

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今回は数多くある日々の楽しみのひとつを紹介しました。ではでは、shineriでした。

 

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学芸員(美術)のお仕事をしています。それ以外にも個人研究や趣味を色々やっております。八戸学芸員倶楽部のオバケ妖怪担当。※注:当ブログでの発言はすべて個人的なものです。

アメリカの7博物館における日本美術展示風景

どうもshineriです。2018年もあと20日くらいしかありませんね。さて、今回はアメリカの博物館(美術館含む)における日本美術の展示風景を紹介してみたいと思います。

 

1.シアトル美術館

先日、仕事でアメリカのワシントン州に行く機会がありました。初めての西海岸。ゲーム「ライフ・イズ・ストレンジ」の雰囲気を思い出してワクワクしたものの、怒涛の毎日で観光どころではありませんでした。しかし幸運にもシアトル美術館(略称SAM)に行く機会を得られたのです。シアトル美術館には小さいながら日本美術の展示コーナーがあり、茶室を再現した模型がありました。

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シアトル美術館の茶室模型

↓茶室内には茶道具を置いている。

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シアトル美術館の茶室内部

↓日本美術コーナー全体。屏風は保護ガラスなし。

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シアトル美術館の日本美術展示

www.seattleartmuseum.org

このシアトル美術館の、特に茶室再現を見て、そういえばアメリカのミュージアムはこういう雰囲気で日本美術を展示しているんだった……と記憶がよみがえりました。
2011年の夏、大学生だった私は、友人と2人でアメリ東海岸方面の博物館をめぐりました。

その旅のことを私はアメリカ版古美術研究旅行と呼んでいます。

お金がないのでユースホステルを渡り歩き、アムトラックやバスなどの公共交通機関を駆使した、今思えばよくやったなぁと感心する旅でした。初っ端から羽田→ニューヨーク航空便がハリケーンで飛ばなくなり、なぜかハワイを経由するというトラブル起きまくりの思い出深い旅です。

その旅で見たアメリカの各博物館の印象深い日本美術展示を思い出したので、過去の写真フォルダを漁り、紹介してみます。

※注:下記はすべて2011年夏の写真です。

 

2.メトロポリタン美術館(ニューヨーク)

まずはニューヨークの巨大なミュージアムメトロポリタン美術館(略称MET)です。ここはとにかく大量の物がひしめき合っているという印象で、西洋絵画や彫刻はもちろん、エジプトやアフリカ美術のほか、家具や楽器、武器など多岐にわたる展示品があります。日本美術に関しては、エジプト美術のような大きなコーナーはなく、陶磁器・楽器・武器などのコーナーに日本美術があるという感じ。

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メトロポリタン美術館(陶磁器コーナー)

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メトロポリタン美術館(楽器コーナー)

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メトロポリタン美術館(武具コーナー)

↑の武具コーナーには、↓のような甲冑も並んでました。

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メトロポリタン美術館(甲冑)

The Metropolitan Museum of Art

 

3.アメリカ自然史博物館(ニューヨーク)

この博物館は、動物の剥製と各国の民族文化を展示しています。日本の国立科学博物館国立民族学博物館が合体したような印象。ここの日本コーナーは独特の雰囲気があり、最も記憶に残っています。

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ニューヨーク自然史博物館(日本コーナー入口)

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ニューヨーク自然史博物館(日本文化1)

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ニューヨーク自然史博物館(日本文化2)仏壇!

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ニューヨーク自然史博物館(日本文化3)神道

なかなか日本では見られない展示でした。個人的には妖怪じみた根付などが展示されていて嬉しかったです。

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根付(解説には'HACHISUKE'とあった)

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↑は渡辺綱かな。 

www.amnh.org

 

4.ブルックリン美術館(ニューヨーク)

ブルックリン美術館は、西洋・アメリカ・アフリカ・エジプト美術のほかに、アジア圏の美術が充実していました。METとは違い日本美術の展示コーナーが設けられており、その展示にはこだわりが感じられました。

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ブルックリン美術館(複数室にわたる日本美術展示室)

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ブルックリン美術館(和風な雰囲気の展示ケース。中は畳敷き。)

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ブルックリン美術館(茶碗や掛軸)

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ブルックリン美術館(突然の石燈籠)

展示ケース内に畳を敷いていることから分かるように、物だけではなく文化の雰囲気も含めて教えてくれる展示です。きれいめな日本感があり、好きです。

www.brooklynmuseum.org

 

ニューヨークではこのほかにグッゲンハイム美術館、フリック・コレクション、MoMAなどに行きました。写真が残っていなかったのですが、MoMA三宅一生中西夏之の作品、玩具の「もじバケる」が展示されていました。

 

5.フィラデルフィア美術館

映画「ロッキー」で主人公がトレーニングをしている巨大な階段はこのフィラデルフィア美術館前にあります。この美術館の日本美術は建築分野がすごい!

例えばこれ……↓

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実は室内なんです!

 

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美術館の中に実物大の建築が並ぶ空間……。日本の江戸東京博物館や深川江戸資料館のような再現です。この大掛かりな展示には驚きました。

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フィラデルフィア美術館

↑のように仏教美術も寺院内のような雰囲気を出すために柱まで作り込んでいました。

www.philamuseum.org

 

6.フリーア美術館(ワシントンDC)

ワシントンDCのスミソニアンにあるフリーアギャラリー(美術館)は、アジア美術が充実しており、日本美術の良質なコレクションがあります。

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フリーア美術館(日本美術展示室)

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↑いくつか見かけた額装された掛軸。この方が扱いやすいかもしれない。

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仏教美術も充実。奥に座しているのは快慶の仏像。私は運慶より快慶が好きです。

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アーチ下の金剛力士もなかなか。

Front Page | Freer|Sackler

 

7.ボストン美術館

最後はボストン美術館(MFA)です。かつて岡倉天心が働いていた美術館で、モース、フェノロサ、ビゲローが持ち帰った日本美術をたくさん収蔵しています!

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ボストン美術館(日本を意識した展示室内装)

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ボストン美術館(お堂の中のような展示室)

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ボストン美術館(茶道具と着物の展示室)

また、ボストン美術館には天心園という日本庭園があります。

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天心園

上の写真を見て分かる通り、枯山水がボコボコに乱れていました。誰か間違って歩いてしまったのかと思っていたら、野ウサギがぴょんぴょん歩いているのを発見。ウサギの足跡だったようです。

www.mfa.org

○ ○ ○
以上、シアトル美術館も含めると、7つの博物館における日本美術の展示風景を紹介しました。全体を通して言えるのは、日本美術を展示する際にケースや展示室内装も日本風に色々と工夫しているということでしょうか。

しかしこれは日本美術の分野に限ったことではなく、アメリカの美術館では展示環境をかなり作り込んでいるようです。

例えばこんな風に↓

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ボストン美術館

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メトロポリタン美術館

こうして見ると、展示室のしつらえというのは美術鑑賞する上で重要ですね。工夫すると、作品が背負っている文化や世界観が体感しやすくなるかもしれません。

ではでは、shineriでした。

 

shineriプロフィール

学芸員(美術)のお仕事をしています。それ以外にも個人研究や趣味を色々やっております。八戸学芸員倶楽部のオバケ妖怪・おちゃらけ担当。※注:当ブログでの発言はすべて個人的なものです。

八戸市新美術館の開館が楽しみすぎてマイクラで建築しちゃいました

どうもshineriです。

平成32年度末に開館予定の八戸市新美術館。準備は大変ですが、完成がとても楽しみ。しかし平成32年度末って、2021年……?まだ3年もあるなんて待てない!

(2019年追記:開館予定は2021年夏頃に変更になりました)

ということで、楽しみすぎて待てないので、勝手に八戸市新美術館を建築しちゃいました。そう、マインクラフトの世界で。

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完成したマイクラ八戸市新美術館

ちなみに↓が正式な完成予想図です。

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八戸市新美術館完成予想図(https://www.city.hachinohe.aomori.jp/index.cfm/12,114926,43,242,htmlより引用)

※注:このマインクラフトのマップは、ファンである個人の趣味として制作したものであり、関連団体等から宣伝の依頼を受けて作ったものではありません。

 

総制作時間18時間。クリエイティブモードでのガチ建築は初めてで、試行錯誤しながらの建築でした。

なお、八戸市HPの下記リンク先でも公開している「八戸市新美術館建築工事基本設計概要版」に掲載されている建築図面等を参考にしました。

八戸市 - 八戸市新美術館建設工事基本設計の概要について

 

建築を始める前に設定したのがスケール感。マイクラの世界では、"2マス=身長"です。私の身長は約150cmなので、"2マス=1.5m"と設定しました。

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サイズが決まったら、図面を見ながら基礎となるブロックを慎重に置いていきます。基本的な構造の部分には、白いコンクリートブロックを使います。

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最初に大きさを間違うと大変なので、時々上からも確認。黒いのはブラックキューブという黒い部屋です。

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だいたい図面通りの基礎が完成!

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作った基礎を目印にブロックを重ね、壁を作っていきます。

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天井にはハーフブロック敷きつめて。

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いい感じに柱や壁が立ち上がってきました。右上の天井のある部屋がメインの展示室"ホワイトキューブ"です。

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大きな創造空間となる"ジャイアントルーム"の高い屋根も立ち上げました。しかし大変なのはここからだった……。

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えっ、暗!!(マイクラだけに)

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↑は右上のホワイトキューブの中。天井を作ったせいで真っ暗です。思わずレッドストーントーチをたくさん置いてしまい怪しげな雰囲気に。こんなムーディーな展示をしたら面白そうですが、それにしても暗すぎます。よくある光源ブロックとして松明があります。が……!展示室は火気厳禁だ!!

そこで考えた対応策が、光るグロウストーンを、光を透過させるハーフブロックで覆って明かりを確保する方法。

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当初の計画以上に大変な作業となり、途中で何度も諦めるかどうかの脳内会議を開催しました。

 

床はすべて掘り下げ、グロウストーンを敷きつめまくる。

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 ハーフブロックで覆いまくる。

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天井も同様である。

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全てをこんな風に。

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しかしこの試みのおかげで暗かったホワイトキューブがこんなに明るくなりました。やった努力が反映される、マインクラフトのいいところ。

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引き続き明かりの確保を意識しながら建築。1階部分の形が見えてきました。

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2階部分の部屋も作り、ジャイアントルームにハイサイドライトを取り入れるガラスを貼りました。右側に大きく張り出している壁は収蔵庫部分です。

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内装もこだわりました。事務室は灰色のカーペットを敷いたり。

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収蔵庫の大扉は、濃い灰色ブロックと鉄格子でそれらしい雰囲気を作り、

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作品用大型エレベーター内はレバーやボタンで再現。扉は上から下がるタイプです。

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・・・・・・ 

そして、ついに完成!!!!!!

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ご覧ください、夜でもこんなに明るく輝いています!!

さあ、早速ジャイアントルームに入ってみましょう。おお、天井が高い!クリーパーやスケルトン、馬まで楽しそうにしています。

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ホワイトキューブに絵を飾ってみたら早速クリーパーが見にきました。

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こんなに大きな絵を何枚も飾れます。

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続いて小さめのギャラリースペース。展示台の上にこんなオブジェを飾ってみました。

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ガラスの展示ケースの中には掛軸や着物を展示。

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小さめの絵を掛けて、じっくり鑑賞できるような展示も。

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このワールドでどんな展示をするか考えると楽しいかも!? 

長らく取り組みたくてうずうずしていた、マインクラフトで八戸市新美術館を建築するという試み。予想以上の作業量でしたが、非常に大きな達成感を得られました。

まだ見ぬ八戸市新美術館をこうして自分の手で作ることができ、ますます新美術館オープンが待ち遠しくなりました。

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ではでは、また次の投稿でお会いしましょう!shineriでした。