shineriポケット

やりたいことが多すぎる。

美術館の建築費用しらべてみた

美術館の建築費用をしらべてみました。

現在青森県八戸市で新美術館の建設準備が進められていることもあり、関心があったのでしらべました。

私は2年半ほど前に初めて学芸員として採用され、八戸市美術館で働くことになりました。しかし、職場を訪れた初日に「あと1年で閉館するよ」と言われて多少なりともショックを受けました。まったく知らなかったからです。

あれから美術館は閉館し、今はもう建物もありません。

f:id:shineri-pocket:20181006133152j:plain

八戸市美術館跡地

ほぼ同じ場所に八戸市新美術館が建設予定であり、現在その準備が進められています。

それにしても美術館を作るのはお金がかかりますね……。ということで、他の美術館はどのくらいの費用で建てられたのか気になり、調べてみました。

f:id:shineri-pocket:20181006143227p:plain

美術館建築工事費リスト

※注:①まだ建物ができていない東広島市立美術館、八戸市新美術館、鳥取県立美術館の工事費や面積、開館年は今後変わるかもしれません。②主に各地方自治体ホームページ等で公開している文書をもとにリスト化しました。

 

まず費用を左右するのは、その建物の大きさ(床面積)。くわえて、どのくらいのスペックの設備にするかによっても大きく変わってきます。

例えば十和田市現代美術館はとてもお安く建てられていますが、これは収蔵庫がなく、現代アートの展示を中心にしているからだと推測できます。収蔵庫は美術作品を可能な限り劣化させないよう保存するために、温湿度を一定に保つ必要があり、これに費用がかかります。これは展示室も同様です。しかし現代アートのみを展示するのであれば、生きている作家に直接手直ししてもらうこともできますし、厳密な空調管理はそれほど必要ないということで、他の美術館よりもスペックを落としているのではないでしょうか(あくまで推測です)。

そういえば滋賀県で改修・新棟建設が予定されていた新生美術館は、予算内で建設工事を請け負う業者が決まらず、一度計画が白紙に戻されたそうですね。

滋賀県立新生美術館計画、白紙へ。現行の「近代美術館」として再オープンの方針を固める|MAGAZINE | 美術手帖

2者参加も不落/県立近代美術館増築その他工事/滋賀県 | 建設ニュース

東京オリンピックが決まってからというもの、東京での建設工事ラッシュのせいで資材が高騰しているという噂もありますし、限られた財源の中で美術館を建てるのはなかなか難しい状況なのかもしれません。

美術館は特殊な専門施設ということもあり、建てるにはどうしてもお金がかかってしまいます。特に都道府県市町村が整備する場合は、助成金を活用して建てるにしろ少なからず税金を使うわけですから、それぞれの身の丈と目的に見合ったものを建てるように心がけたいですね。

 

リスト掲載美術館HP

金沢21世紀美術館

青森県立美術館

十和田市現代美術館

大分県立美術館

富山市ガラス美術館

富山県美術館

東広島市立美術館

八戸市新美術館

鳥取県立美術館

shineriプロフィール

学芸員(美術)のお仕事をしています。それ以外にも個人研究や趣味を色々やっております。八戸学芸員倶楽部のオバケ妖怪・おちゃらけ担当。※注:当ブログでの発言はすべて個人的なものです。

最近見た幽霊画の話(八戸学芸員倶楽部勉強会)

最近、幽霊画をたくさん見ています。

幽霊は視ませんが、幽霊画はよく観ます。 

現在、個人研究として幽霊画をとりまく環境を調査しているのです。

先週、八戸学芸員倶楽部の勉強会で現在の調査状況を報告し、他の学芸員さんからアドバイスや興味深い情報提供をいただきました。

f:id:shineri-pocket:20181002192629j:plain

勉強会発表タイトル

私が所属している八戸学芸員倶楽部は、八戸市内の学芸員が有志で結成した集まり。市内の学芸員がそれぞれの専門分野や館をこえて互いに研鑽しようと2017年に結成しました。私も初期メンバーの1人で、勉強会(約2ヶ月に1回開催)で発表するのも2回目。このほか、八戸ブックセンターでブックトークショーを開催するなどして活動しています。

勉強会には、歴史や考古、民俗、美術など様々な分野の学芸員が参加しているため、毎回、自分だけでは気付けなかったことを色々と教えてもらっています。

 

さて、今回の発表では、弘前市八戸市大慈寺、大阪の大念佛寺遠野市の4箇所でみてきた幽霊画や、各土地の様子を発表しました。

弘前市ではギャラリー森山でゆうれい展を拝見し、「お化けを守る会」の情報を色々と得ることができました。

f:id:shineri-pocket:20181002201801j:plain

ギャラリー森山

また、八戸市大慈寺では、八戸市を代表する日本画家・橋本雪蕉の筆と伝わる《幽霊絵図》を調査!お盆の時期だけ展示しているそうで、間近でじっくり調査させていただきました。

大阪の大念佛寺では、1年に1日(8月第4日曜日)しか公開されない幽霊画12点を目撃。

f:id:shineri-pocket:20181002200537j:plain

大念佛寺 幽霊画拝観待合所

さらに、遠野市立博物館八戸市と縁深い遠野の文化や歴史を感じ、特別展「遠野物語と河童」を観たり、河童淵で河童を釣ってきたりしました。

f:id:shineri-pocket:20181002200805j:plain

特別展「遠野物語と河童」

f:id:shineri-pocket:20181002201512j:plain

遠野市某所

幽霊画を見て、気づいたことや考えたことがたくさんありましたが、それはまた次の機会にお話しましょう。

 

shineriプロフィール

学芸員(美術)のお仕事をしています。それ以外にも個人研究や趣味を色々やっております。八戸学芸員倶楽部のオバケ妖怪・おちゃらけ担当。※注:当ブログでの発言はすべて個人的なものです。

ブログ、始動。

はじめまして、shineriです。

前々からトライしたいと思っていたブログをついにはじめました。ついでにtwitterアカウントも作りました。

ここ1年くらい、正式なお仕事とは別に個人研究や趣味的なものなど「やりたいこと」が増えていました。しかし、忙しさに追われ、また休日のダラダラしたさを抑えられず、まったく実行できていませんでした。膨らむのは頭の中の妄想ばかり。ブログもその「やりたいこと」のひとつでした。

このたびやっと重い腰をあげ、ブログを始動させてみました。やがて飽きるでしょうが、いつまで続くのかは楽しみです。

それにあたり、まずはアイコンとヘッダーを作ってみました。

f:id:shineri-pocket:20180930165748p:plain

shineriアイコン

f:id:shineri-pocket:20180930185745j:plain

ヘッダー画像

ドット絵制作と画像編集のアプリで作りました。

アイコンは自画像です。

ヘッダー右の絵は植木鉢ではなく、ポケットに鉛筆と絵筆です。

この他にも私のポケットには道端で拾った滑らかな石や、ダンゴ虫や魚の目玉やクリアなBB弾が入っています。それらを大切にとっておいて、ポケットの中身を少しずつ紹介したいなと思っています。

 

shineriプロフィール

学芸員(美術)のお仕事をしています。それ以外にも個人研究や趣味を色々やっております。八戸学芸員倶楽部のオバケ妖怪・おちゃらけ担当。※注:当ブログでの発言はすべて個人的なものです。